一般的な方法としてはWACC法(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本費用)があります。
この方法は、資本コストと税メリット考慮後の借入コストを加重平均するものです。
これは株主がその会社に株式投資をした場合に期待する収益率を意味します。会社側から見ればこれは一種のコストとなりますが、算式としてはCAPM(Capital Asset Pricing Model)が広く使用されています。
資本コスト=Rf+Beta×(Rm-Rf)
Rf=リスクフリーレート;
信用リスクがないと見なされる証券投資からの収益率。先進国政府が発行する国債等のレートが使用される。
Beta=ベータ;
Dowや日経平均などマーケット指標の動きに対して個社の株価がどの程度動くかを示す係数。
(Rm-Rf)=市場リスクプレミアム;
投資家が個社への株式投資を行うに際し、リスクを採る対価として求めるRfへの上乗せ利率。
借入コスト
実際の借入金利。ただし、税メリットを考慮すると次のように計算できる。
借入コスト=借入金利×(1-税率)
<計算の具体例>
前提:A株式会社の資本構成は80%が負債で20%が資本金
借入金利2%
税率 35%
国債金利 1%
ベータ 1.3
リスクプレミアム 5%
よって割引率は、0.8X2X(1-0.35)+0.2X(1+1.3X5)≒ 2.6%