上表で、フリーキャッシュフロー(以下F/Cとします)からの簡単な企業価値計算例をご説明いたします。

 

1.F/Cを予測するために、今後5年~10年のキャッシュフロープロジェクションを作成します。

 

2.F/Cとは、税金、設備投資および運転資金控除後の自由に使えるお金です。ただし、支払利息は、借入額によって異なるため、企業価値計算上では支払利息前のF/Cを使用します。

 

3.本企業に期待する収益率(=割引率)でプロジェクション上の各年のF/Cを割引きます。

例えば、毎年10%の収益を期待するなら、10%を割引率として使用します。

”割り引く”の意味は具体的には以下のとおりです。

 

1年目のF/C÷(1+0.1)+2年目のF/C÷(1+0.123年目のF/C÷(1+0.13+・・∞

 

と無限に計算します。

 

4.ただし、実際上、プロジェクションは無限に作れないので、例えば5年後のF/Cを基準とし、その後のF/Cの伸び率を0%とか3%として簡便的に計算する方法を使用します。具体的には5年後以降のF/Cを10%で無限に割り引いた場合の級数の和は、

(5年後のF/C額×(1+F/Cの伸び率))÷(割引率ーF/Cの伸び率)

で計算できます。

 

5.このように計算して得た数値がF/C現在価値法による企業評価額となります。従って、上表で、割引率(期待収益率)10%、6年目以降のF/Cの平均伸び率3%を想定した場合の、企業価値は、6,617 です。F/Cの平均伸び率3%を一定として、割引率(期待収益率)を15%に上げた場合には、企業価値は 4,260 に下がります。これは、「高い収益を上げようと思うと、安く買わなければならない」という当然の原理です。


 

 

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